「もぉいいよ!パタモンのバカッ!!」
なんで?
なんでダメなの?
ちょっとエンジェモンに進化してほしいってだけなのに!
【僕は僕だって】
「…あれ…ここ、どこ?」
適当に歩いてたから迷ったみたい…。
どうしよう…パタモ…ううん、関係ない!
ボク一人でも大丈夫だもん!!
「あ、あれは」
見なれた場所。
あそこは"はじまりの街"。
ボクは懐かしい場所へ、久しぶりに訪れることになった。
「だれ?ダレ?人間?」
相変わらず、人懐っこいベビー達。
「うん。岳だよ」
「たける。たける。あそぼ。遊ぼ」
ベビー達がボクの周りに集まってくる。
そういえば、前もボク達の周りに集まってきて、パタモンと一緒に遊んだっけ。
「…」
思い出す記憶には、いつもパタモンが傍にいる…。
ボク達はいつも一緒にいたんだ。
-ビシィッ-
「え!?」
突然、ボクの足元に雷が落ちる。
でも、この技は…。
「エレキモン!ボクだよ、岳だよっ!」
視界の端に、懐かしい姿を見つける。
あの時もそうだったっけ…相変わらず、ベビー達を守ってるんだ。
「…スパークリング・サンダーッ!!」
なんでっ!?
今度は、ボクの傍にいたベビー達を狙ってる。
「エレキモンッ!?」
ベビー達をかばったボクの頬に静電気みたいな痛みが残る。
…本気…なの…。
「どうして…まさか…ダークタワー!?」
ボクじゃあ、戦えない…。
逃げるしか…。
「たける…こわいよ…」
ダメだ…ベビー達は脅えて動けない。
…ボクが…逃げちゃダメなんだ。
ボクが、ベビー達を守らなくちゃ!
でも…今度、攻撃されたら…。
…どうしたら…。
「スパークリング…」
お兄ちゃん…みんな…。
パタモンッ!!!!
「ヘヴンズ・ナックルッ!!」
それは…一瞬の閃光。
真っ白な光がエレキモンの体を射抜き、そして…弾けるように消えた。
「岳!無事か!?」
その声に、ボクはゆっくり振り返る。
「……」
輝きの中にいる、彼の姿を想像しながら…。
「…エンジェモン…」
「よかった…」
そして、彼はその翼でボクを包んでくれる。
「ボク…ごめんなさい」
「岳が無事なら…いいんだ」
「…エンジェモン」
「私がパタモンでも、エンジェモンでも、岳を守りたい気持ちは変わらない。この気持ちは同じなんだ」
「ボクを…守ってくれてありがとう」
やっぱり、これからもいつも一緒にいようね…。