「ボク・・・卒業式・・・出れないみたい・・・」
健次郎から言われた言葉。
「・・・そっか・・・」
少しだけ予想していたかもしれない・・・。
「・・・・・・うん」
だけど、現実にはなってほしくなかった。
「でもね・・・校長先生が、式の後に卒業証書授与はしてくれるんだって・・・」
「じゃあ、学校・・・来るのか?」
「・・・・・・・・・・・ん」
少し、暗い顔・・・。
クラスのみんなに・・・会うのは、やっぱり怖いんだろうな。
「大丈夫か?」
「なにが・・・」
そう言われてしまえば、返す言葉がないけど・・・。
「お前・・・俺の前でぐらい、意地張るなよ」
健次郎の小さい肩が微かに震えた。
「・・・すごく・・・怖いんだ・・・」
俯いたまま、小さく呟く。
「健次郎・・・組章は?」
「・・・え?」
3Bの組章。
「俺な、式の間、ずっとこれ付けててやるよ」
「え、だって、幸作は3Cじゃないか・・・」
健次郎の制服から組章を取る。
「いいんだって。その代わり、お前はこれ付けてろよ。」
変わりに俺が3Cにいくまで付けていた3Bの組章を付ける。
ついでに、今の3Cの組章も健次郎の手に無理やり押しつけた。
「俺、傍にいてやれないけど・・・怖くなったらさ、それ、思い出せよ」
「幸作・・・」
「お前、一人じゃないんだからさ」
「・・・・・・」
組章を見つめる健次郎。
やっぱり、そんな簡単なことじゃないんだよな・・・。
俺は、それ以上、何も言えなくて・・・。
「・・・ありがとう、幸作」
でも、健次郎の笑顔が俺のしたことが無駄じゃないって教えてくれた。
そうやって、少しづつでいいから、笑顔を思い出してほしい。
健次郎には、ずっと、笑っていてほしいんだ。
「桜中。一緒に卒業しような」
そしたら、春からはきっと楽しいことが待ってるよ。
一緒に青嵐行ってさ、新しい友達もたくさん作って・・・でも、しばらくは俺だけにしといてほしいけど。
だから、がんばれ、健次郎。