今日は平和な日曜日。
天気もいいし、幸せ日和。
暖かな日差しが差し込むソファーでお互いを抱きしめあうように眠る、幸せそうな少年二人。
「・・・ん」
少し身じろいで瞳を開けた少年の名前は、一乗寺賢。
「・・・」
賢が愛しそうに視線を向けた先に眠る少年は、高石タケル。
陽が当たり、一層金色に輝くタケルの髪を優しく撫でる。
ゆっくりと瞼が開き、虚ろな青い瞳が賢を映した。
「・・・起きたかい?」
「ぅ・・・ん」
まだ寝ぼけたままのタケルは、賢に擦り寄りネコのように躰を丸める。
「クスクス・・・タケル、それは"起きた"とは言わないよ」
そう言いながらも、賢はタケルの背中に腕を回して抱きしめる。
「も、ちょっと・・・だけ」
タケルはすっかり賢に躰を預けて、また穏やかな眠りに落ちていった。
「・・・本当に、しょうがないな・・・」
賢は優しい笑顔を浮かべ、タケルにキスを降らせていく。
眠る前のいつもの挨拶。
柔らかな金色の髪に・・・。
今は見えない青い瞳に・・・。
桜色に染まった頬に・・・。
そして・・・。
「ぅん・・・賢・・・好き・・・」
夢の中の世界でまでも、自分の名を呼ぶ口唇に・・・。
「・・・僕もだよ」
眠っているタケルが、小さく笑ったように見えた。
愛しいタケル。
君は僕が守ってあげる。
だから、今はゆっくりおやすみ・・・。
<END>
(C) 20000816 志月深結
【BACK】