「はい、これ。オミヤゲね」
チビモン達にはたくさんのお菓子。
大輔クン達にはぬいぐるみ。
「可愛い〜ありがと〜」
京サンにはペンギン。
「タケルさん、どこに行ったんですか?」
伊織クンにはアザラシ。
「お兄ちゃんと二人でおばあちゃん家に行ってきたんだ」
「それって、島根の?」
ヒカリちゃんにはクジラ。
「うん。おっきな水族館が出来てて、そこのオミヤゲなんだよ」
「・・・なぁ、これなんだ?」
「あ、それ。大輔クンに似てるから買っちゃった」
大輔クンにはハリセンボン。
だって、髪の毛がツンツンしてるし、似てるでしょ?
「お前、それどういう意味・・・ん?あとの誰のだよ?」
ボクの手元にはぬいぐるみがあと二つ。
「これは・・・」
真っ黒なシャチと真っ白なイルカのぬいぐるみ・・・。
・・・・・・・・・
「ねえ、見てよ」
ボクはシャチのぬいぐるみを抱いてベッドに座る。
「このシャチ生意気そうでしょ〜?目付き悪いところなんて賢にそっくり」
コレをみつけた時、思わず笑い出しそうになっちゃった。
「タケル・・・それで、そのシャチを僕にくれるワケ?」
やっと、パソコンから目を離してボクを見てくれた。
「ううん。賢にはコレ」
ボクはカバンからイルカのぬいぐるみを取り出して賢に渡す。
「可愛いでしょ?まるでボクみたい」
「天然っぽい顔してるしね・・・」
イルカのぬいぐるみを持ったままデスクから離れて、ボクの隣りに座る。
「ってことは、その生意気そうな目付きの悪いシャチは誰の?」
賢は軽くため息をついて、シャチの頭を小さく叩く。
「コレはボクのに決まってるじゃない♪」
「え?」
なんで、そんなに驚くのさ?
「賢はシャチでボクはイルカなの。だから・・・ちゃんと可愛がってよね!」
子供っぽいことしてるって分かってるけど・・・。
「・・・じゃあ、大切に扱わなくてはいけないね」
そう言って、賢はぬいぐるみにキスをする。
「ダメ!そーゆーのはちゃんと本物にしてっ!」
あれ・・・なんか・・・ボク、矛盾してる?
「分かってるよ」
楽しそうに笑う賢の口唇がボクのと重なる。
「ぬいぐるみじゃ、タケルの声が聴こえない」
「クス。じゃあ、今からたっぷりと聴かせてあげる」
そのまま、賢の背中に腕を回してベッドに躰を沈める。
ベッドの下にはシャチとイルカのぬいぐるみが寄り添って転がってる。
ほら、まるでボク達みたいにね。
<END>
つい先日、モデルにした水族館に行ってきました。
魚を見ながら、兄弟が手をつないで歩いてる姿を想像してましたよ(笑)
でも、オミヤゲ選ぶ時のタケルって楽しそう〜!
(ハリセンボンのぬいぐるみを持って)
「ねえ、お兄ちゃん!これ、大輔クンみたいだね〜♪」
(シャチのぬいぐるみと目が合う)
「あれ?これって・・・クスクス」
「どうした、タケル?」
「ううん。ちょっとね♪」
って感じですか?
お兄ちゃん、気になってしょうがないって感じっすよ!!
心の中では
「タケル?なんなんだ!?お兄ちゃんには言えないことなのか!?」
状態?(爆)
(C) 20000901 志月深結
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