おはよう
 
 

 鋼の錬金術師、エドワード=エルリック。
 12歳にして国家錬金術師の号を取得する才能。
 最初はむしろこの兄に興味があった。
 天才と呼ばれる才知が、自分にどう関わってくるか。
 だが、彼に逢う事で、自分にどう関わってくるかではなく、自分がどう関わるかに論点が変わった。
 彼…アルフォンス=エルリック。
 エドワードの弟であり、兄に劣らない実力の錬金術師。
 初めて逢った時は大きな鎧の姿だった。
 その外見からは想像も出来ないほど繊細な気遣いが出来る子供だった。
 そして、兄を想うが故に強く、脆い子供だった。
 
 

 そして、なぜか、どうしようもなく、惹かれた。
 
 

 傍で彼等の絆の深さを目の当たりにしながら。
 傍で彼等の想いの深さを目の当たりにしながら。
 
 

 それでも、惹かれた。
 
 

 彼等が賢者の石を見つけ、彼の身体を取り戻そうとした時。
 不覚にも恐怖した。
 
 

 もしかしたら、彼を無くしてしまうのではないか。
 
 

 賢者の石は本物。
 彼等の実力は本物。
 何も恐れる事はない。
 それでも、もし…そう思う事を止められなかった。
 私は、彼に想いを告げた。
 彼は、少し考えた後、微笑んだ。
 鎧に表情は無いはずなのに、彼が少し照れたように微笑ったのが分かった。
 
 
 

 そして、彼は、身体を取り戻した。
 
 
 

 色素の薄い金色の髪が枕元で小さく揺れ、それよりも少し濃い金色の瞳と視線が重なる。
「…顔、ニヤけてる」
「君に見惚れていたんだ」
「っ…も、もう!朝から変なコト言わないでください」
「私は事実を述べただけだよ」
 赤くなった頬に触れれば、それは柔らかく暖かい。
 

「おはよう、アルフォンス」
 

 今、彼は、私の傍で微笑む。

 あの日と同じ、少し照れたような笑顔で微笑う。
 
 


しまった、無能しか喋ってねぇぇーーーΣ( ̄□ ̄;)
まぁ、年寄りは朝が早いということで(笑)
ロイアルになった経緯が書きたかったのに…単なる思い出話?ノロケ?
でも、大人と子供、大好きですv

20040210

モドル