赤い糸が見つからない。
全部、岳がいけないんだ。
ボクが…悪いの…?
岳が選ばないから。
ボクが…選べないから…?
岳は誰が好きなんだ?
ボクが…好きな人は…誰…?
【アイノクサリ】
「は…ぁ」
明かりが消えた部屋に小さな吐息が響く。
「岳…いいの?」
掠れた声を耳元に落としたのは賢。
「うぁ…ん」
小さく躰を竦める岳。
「っ…こんなに締めつけてんだ…感じてるんだろ」
そんな岳の躰を、今、征服しているのはヤマト。
「ひぁ…や…も、ゆるしてぇ…」
岳の躰は、ヤマトと賢を何度受け入れたか分からない。
快楽を通り越した苦痛が岳を襲う。
途中、何度か気を失い、気がついても、それらはまだ岳を犯し続けた。
「…そんな都合のいいこと…できるわけないだろっ」
ヤマトの熱を直接躰の中に受け入れる。
「いぁっ…」
何度も放たれたそれは、ヤマトが躰を引き抜くと同時に岳の中から溢れ出す。
「まるで、女みたいだな…」
その言葉が岳を辱めるかどうかなんて関係ない。
ただ、岳が少しでも自分を意識するように…。
「そう…許しを乞うこと自体、間違ってる。岳が選ぶまで何度でも繰り返されるのに」
そのまま、愛撫もなしに賢の熱が挿し入れられる。
「ひっ、ぃあ、やぁあ…」
涙なのか、汗なのか、体液なのか分からない。
そんな液体にまみれた岳の躰。
「こんなに濡れてるんだ…痛いわけないだろう」
「も…やだぁ…いや…あ」
自分の意思とは無関係に、とめどなく溢れ続ける岳の熱。
そして、躰の奥に注ぎ続けられる、ヤマトと賢の熱い熱。
「僕か…彼か…決めるのは君だよ…岳」
「わ…んない…そんなの…わかんないよぉ」
それでも、首を横に振る岳。
そんな岳に二人は苛立ちと安堵を覚えた。
これは、勝敗のないバトル。
幾度となく繰り返される営みが終わることはありえない。
岳に答を求める二人。
そして、心の奥底で願うこと…。
岳が選ぶのは自分だ。
岳の答を打ち消す二人。
そして、心の奥底で呪うこと…。
岳はアイツを選ばない。
そして、最後に思うこと…。
もし、岳がアイツを選ぶなら…。
「「岳…愛してるんだ」」
答なんて必要ない。
ボクの赤い糸…。
それは誰に繋がっているの?
まるで、絡まりあった鎖のよう…。
アイツに繋がっているのなら…。
ねぇ、誰か…。
もっともっと、絡めてやろう。
赤い糸がほどけないんだ…。
赤い糸は、アイノクサリ。
…kekoさん、いらないと思いますが貰ってやってください。
じつわ、深結は最近(いえ、根っからの)3P好きです。
密かにもう一つのヤマ&父×岳(3P)も書くかも…なんてな(笑)
(C) 20000903 志月深結