抱きしめて。
このまま、離さないで。
強く。
もっと欲して。
このまま、染めて。
アナタの色に…。
【color】
「ん…ぁは…」
いつからか、こんな声が出るようになった。
「…け…ん」
同じ性別のこの人を好きになった。
「や…っあ、だめぇ…」
自然の摂理に反する行為。
「っく…いっちゃう…」
分かってるけど、彼を求めてしまう。
「んぁ、あぁぁっ!!」
彼が欲しくて…乱れてしまう。
「はぁ…はぁ…」
いったばかりの躰がだるくて呼吸が荒くなる。
「…岳」
ボクを見下ろす優しい瞳。
だけど、熱に浮かされ濡れた眼差し。
ボクはこの瞳が好き。
「賢の…してあげる」
躰を起こして、賢にキスをする。
そのまま、口唇を下に落していく。
「…出しちゃって…いいからね」
昂ぶったそれに手を添えてゆっくりと舐め上げる。
猫がミルクを飲むように、舌の上で飴玉を転がすように…わざと音を立てて何度も舐める。
「……っ」
少し苦さを感じて、今度はその昂ぶりを口の中に含む。
口唇で軽く挟んで、上下に動かす。
「た…ける」
少し押し殺した声。
この声が好き…。
賢も感じてくれてるって分かるから…。
「…賢の…飲ませて…」
上目遣いで見つめて、賢の熱に軽く歯を立てる。
「ん、くっ!!」
不意に口の中に広がる熱。
「!!…んぅ、ふぁ」
飲み切れなくて、つい口を離してしまった。
その弾みでボクの頬を濡らす白濁の液。
「…ふふ…すごく、エッチな顔してる」
「…賢も…だよ」
「そんなに、美味しかった?」
お互いの耳朶を噛みながら交わす睦言。
「…もっと…ちょうだい」
「ひぁ、はっ…っん」
抱き合う体勢で賢を受け入れる。
賢の背中に腕を回して抱きしめる。
「あっ、んぁ、やぁ」
突き上げられるたびに洩れる声。
「気持ち、いいの?」
急に動きを止める賢。
「いあぁ、や、ぁに…!?」
「…どうかした?」
少し意地悪な微笑み。
「も、っと…」
生理的な涙が浮かんでくる。
「もっと?」
躰が勝手に動いてしまう。
「……い…じわる…しないでぇ…」
もっと奥まで…ボクの中を掻き回して。
「意地悪なんてしてないのに…おかしな岳」
「やぁ…ちがっ…う」
うそつき…。
「岳…」
耳元を掠める賢の濡れた声。
「ひぁ…」
心臓がギュッてなる。
「け、ん…」
賢の声だけで…躰中が熱くなって…もっと刺激が欲しくなる。
「…い…かせて」
賢と繋がってる部分がジンって熱くなる。
「…もっと…奥まで、ほしいのぉ」
賢の熱で溶かしてほしい。
「クス…お望み通り…いかせてあげる」
ずっと欲しかった熱い快感。
躰を任せて、理性を捨てる。
あとは…賢がくれる熱い刺激を躰中で受け止めるだけ…。
同じ性別のこの人を好きになって…。
自然の摂理に反する行為…。
分かってるけど、彼を求めて…。
彼が欲しくて…乱れてしまう…。
繋がる時の至福の快楽。
彼だけが与えてくれる。
彼と同じ感覚に生き、彼と同じ快楽に溺れる。
このまま、一つに溶けてしまえばいいのにね…。
ボ
ク
が
染
ま
る
の
は
・
・
・
ア
ナ
タ
だ
け
の
c o l o r
(C) 20001221 志月深結
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