誰もいなくなった放課後の教室。
ここは僕と鋼だけの場所。
いつものように悪戯な愛撫と言葉を交わす。
「好きだよ・・・大好きだ」
小鳥がついばむようなキスを繰り返して、鋼を抱きしめる。
「ん・・・早野・・・」
「今日、僕の家においで・・・誰もいないんだ」
「深野サンもいないの?」
いつもなら玄関に着いたと同時に、僕と鋼の間に割り込んでくる姉の深野。
「両親は出張、深野は友達の家に泊まりだって・・・ん?二人きりはイヤ?」
「イヤじゃ・・・ないよ」
お気に入りの深野がいないと知って、少しガッカリした顔を僕に見せる。
鋼のお気に入りってことだけでもムカツクのに、鋼にそんな表情されると・・・実の姉とはいえ、殺したくなるね。
でも、今日の僕は機嫌が良いから許してやるよ。
「残念そうだね。でも、そんなことすぐに忘れるから・・・」
せっかくのチャンスなんだ。
絶対、無駄には使えない。
「うわっ!ちょっ・・・早野?」
リビングに入った鋼をソファーの上に座らせる。
「気持ちいいこと、しようよ」
今日は特別なんだ。
いつもだったら深野達に遠慮して出せない声もたくさん聞けるし、朝までだってずっと愛してあげられる。
「早野ぁ・・・おまっ、これが目的?」
「そういうこと。今日は思いきり声出してもいいからね。いく時の声、たくさん聞かせて」
「!!ばっ・・・かぁ・・・やだっ・・・あ」
キスをしながら制服越しに鋼の躰に触れてみる。
敏感すぎる躰は正直に反応していく。
「どうして、いやだ?」
ベルトを緩めて、その隙間から指を滑り込ませる。
「いかせてあげる」
鋼の左耳にあけられた四つのピアスのうちチェーンのピアスを舌で絡める。
「やっ!それしか・・・頭に、ないのかよ・・・っ」
「なんとでも」
「あっ、ふ・・・やぁ・・・早野」
愛撫を続けながら、もう片方の手を鋼の腰に回す。
このまま両方から責めたら、鋼どんなふうに鳴くだろう?
そんな悪戯心が頭をよぎる。
「ひぁ!だめぇ・・・や・・・そんな、しないで・・・いや、も・・・でちゃうよぉ」
「いいよ、出して。全部受けとめてあげるから・・・ほら」
後ろで鋼を弄んでいた指を一本増やすと同時に、舌で愛撫していた耳朶を軽く噛む。
そして、昂ぶった鋼の躰をうながすように、きつく擦りあげる。
「あっ?はっ・・・あ、あぁっ!!」
鋼は息を切らして、躰をソファーに沈める。
「ば・・・か・・・いきなり、何すんだよ」
「たまには、こーゆーのもいいんじゃないかと思ってね」
「!!っ・・・オレ、お腹すいたっ!!」
「はいはい」
クッションを抱きしめてそっぽを向く。
頬を赤く染めたまま・・・少しひねくれた鋼の感情表現。
今日は、鋼が食べたいって言ってたシーフードグラタン。
鋼は作った側が満足できるほどおいしそうに食べてくれる。
「ごちそうさま♪」
「ほら、鋼、口のまわり汚れてる」
鋼の頬に口唇を近づける。
「ん・・・くすぐったいよ」
「・・・本当、感じやすいよね・・・このまま、苛めちゃおうかな」
鋼の躰を抱き上げて、テーブルの上にのせる。
「早野ぁ!!!」
「イヤじゃないだろ?鋼だって、もうこんなに期待してるのに・・・」
「ダメ!オレ・・・お風呂入ってくるからっ!!だからっ・・・」
鋼は赤い顔でうつむいて、テーブルから降りようとバタつく。
「一緒に入る?」
「やだっ!オレ一人で入るから、待っててよ!」
「じゃ、待ってるから、早くな」
そう言って、鋼の口唇をふさぐ。
今日、初めての熱い口づけ。
「ん・・・じゃあ、お風呂借りるね」
僕と額をくっつけてそう言うと、鋼はバスルームに向かう。
思わぬお預けをくらって鋼を待つ時間。
食事の片付けも終わって、冷蔵庫の中の缶ビールに手を伸ばす。
初めてアルコールを口にしたのは小六の時。
あの時は不味く感じたのに、慣れってのは恐いな。
「早野。お風呂ありがと」
僕のパジャマの上着だけを羽織って、濡れた髪をバスタオルで大雑把に拭きながら鋼はリビングに姿を見せた。
鋼も誘ってるのかな?
いつもより刺激的な格好。
「あ、鋼・・・僕の部屋で待っててよ」
鋼を刺激するようにうなじに舌を這わせる。
「!?早野っ!」
鋼はバスタオルを僕に投げる。
「ベッドだと感じてくれるのに」
「バカッ!!」
次は何が飛んでくるか分からないので、飲みかけのビールをテーブルの上に置いて、僕はバスルームへ逃げた。
「・・・鋼?」
僕のベッドに横になって、気持ちよさそうに眠っている。
「ったく・・・」
この幸せそうな寝顔を壊すわけにもいかず、盛り上がっていた気分も落ち着いた。
僕は鋼の躰に静かに布団を掛ける。
「ん・・・」
「起こしちゃった?布団掛けなきゃ、風邪ひくよ」
「ふ・・・とん?」
寝ぼけた鋼の瞳がやけに虚ろだった。
「寒い・・・の?オレ・・・あたためてあげる」
「え・・・?」
鋼の腕が僕の首に回された。
そのまま口づけて舌を絡めてきた。
鋼からこんなことするなんて、滅多にないのに・・・。
「鋼・・・!」
机の上にさっきまで、僕が飲んでいたはずの缶ビールがあった。
鋼・・・酔ってるのか?
「鋼・・・ビール、飲んだ?」
「んぁ〜?のんだよぉ。おいしいねぇ?」
・・・まさか・・・鋼って、お酒弱い?
「ね・・・え」
鋼は自分でパジャマのボタンをはずして、僕に抱きついてくる。
「・・・いいこと、しようよぉ・・・」
舌足らずな言葉と口唇を濡らす舌がやけに艶やかだった。
「そうだね。イイコト、してあげる」
酔ってこんなになるんなら、いつも酔っててくれないかな?
「くっ・・・あぁ・・・い、い・・・そこ」
「いいの?ここが?」
悪戯に鋼を愛撫していた指を抜いてみる。
「あっ?やだぁ、もっとぉ・・・もっと、して・・・」
鋼がこんなに乱れてくれるなんて・・・今度、料理にお酒でも仕込んでみるかな。
「もっと・・・鋼の声、聞かせて・・・」
もう一度、さっきより一本増やした指で愛撫をくわえる。
「っは・・・あぁ、んぅ・・・も・・・だ、めぇ!」
いつもより高い声と同時に、鋼の躰に震えが走る。
「・・・鋼・・・大丈夫?」
少し、やりすぎたかな?
「オレばっかりダメ・・・してあげる」
「鋼!?」
別人だな・・・・本当。
「ねぇ・・・舐めてあげる」
「ブレーキ効かなくなっても、知らないからな・・・」
本当に・・・こんなこと、一度もしてくれたことなかったのに・・・。
「は・・・がね、もぅ、いいよ・・・」
鋼の髪をかきあげて、瞳を見つめる。
「あ・・・う?」
上手すぎる鋼の愛撫に、僕自信が違う刺激を求めていた。
「言ったろ・・・もう、止まらないからな」
鋼を膝と肘をつかせた、獣が愛し合うのに最適な姿勢にさせる。
「いいね・・・」
そのままの勢いで、鋼の躰を貫く。
「っあ!ん、いた・・・やぁ・・・っ」
「ほら、鋼・・・力、抜いて・・・」
鋼の腰を支えていた手を前に伸ばして、鋼自身にも同時に刺激を与える。
「いっ・・・はぁ・・・だっ、めぇ・・・そんなっ、まえも、いっしょなん・・・っ」
力の抜けていく腰をもう片方の手で支えると、無意識のうちに自分の躰を僕に押しつけてくる。
「・・・鋼。今、自分で動いてるの・・・分かる?」
「!・・・あ、い・・・やだ・・・や」
鋼は赤くした顔をベッドにうずめる。
「どうして・・・気持ちよくなりたいんだろう?」
「・・・う・・・あ?」
鋼の躰を起こし、僕の腕ほどしかない細い太ももに腕を回して、後ろから抱きかかえる。
「・・・一緒に・・・気持ちよくなろ」
そのまま、鋼の躰ごと上下に揺らし貫いた。
「あ、あぁ・・・そ、れぇ・・・もっとぉ・・・いっぱい、し・・・て」
「気・・・持ち、いい?」
「・・・いいっ、すご・・・いいよぉ・・・も、オレ・・・いっ、く」
僕の首に腕を回して、振り向きざまにキスを求める。
「いいよ・・・は、がね・・・一緒に・・・」
されるがままのキスを受けながら、鋼の脚を支えていた手をずらす。
そして、それは何度も鋼自身が放った蜜で濡らされた個所に辿り着き、悪戯な刺激を与えた。
「あ、んっ・・・あ、もっ・・・!あぁ―――っ」
「は・・・がね・・・んっ―――!!」
鋼は僕の隣りで安らかな寝息を立てている。
さっきまでの妖艶さとは裏腹に、子供のようなあどけなさが残る寝顔。
君の魅力を知るたびに、僕がどれだけ悩んでいるか気づいてる?
僕は鋼を繋ぎとめるものを何も持ってない。
いつかは、僕の手から逃げていくのかもしれない・・・。
そうなったら、僕はもう一度君を捕まえることが出来るだろうか?
それとも、逃げられる前に、僕の檻に無理やりにでも閉じ込めてしまおうか。
僕という鎖に繋いで・・・。
「アイシテル」
だけど・・・これからずっと、君に悩まされ続けるのも楽しいだろうね。
初UP (C) 19990921 志月深結
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